Part②では、渡航当日の自宅~飛行機に乗るまでをシミュレーションしてみました。
簡単におさらいしますね。
- 空港までの移動
- 離陸するまでの手続きと待機
- 飛行機内の環境
- 入国審査
- 預け荷物(スーツケース等)受け取り
- 空港からホテルまでの移動
- ホテルチェックイン
①~③は前回で説明した内容です。読まれた方は覚えていますか?
人間の記憶は日々薄れていきますので、改めて内容を確認したい場合は、前回の記事を読んで頂けると嬉しいです。
関連リンク:【決定版】海外旅行の基礎知識 Part② ~渡航当日の流れ~
では、今回は④~⑦についてお伝えしたいと思います。
また、④の入国審査の前に、機内での過ごし方も書いておきますので、参考にして頂ければ幸いです。
④入国審査について
入国審査の説明の前に、少しだけ機内での過ごし方について触れてみたいと思います。
旅行先の国によって飛行時間は変わりますが、国内旅行と違い機内に滞在する時間も長くなるはずです。
余談ですが、皆さんはどのように過ごされるでしょうか?
- モニターで映画やドラマ、ドキュメンタリー等の機内サービスを楽しまれるでしょうか?
- 自分でノートPCを持ち込んで、作業されるでしょうか?
- スマホにダウンロードした音楽を聴きながら、到着後の行動に思いを馳せるでしょうか?
- 雑誌や新聞等を読みながら、くつろいでおられるでしょうか?
- 早起きして行動して疲れている事もあり、また、飛行機に乗れた安心感から、熟睡されるでしょうか?
僕は海外旅行に行き始めた当初は、モニターで自分の見たい番組を探して見ていましたが、自分の気に入ったものがない時は退屈してしまう事もあったので、最近はAmazon Musicで事前にプレイリストを作成し、ダウンロードして楽しんでいます。
上空では当然電波が入らないので(離陸前に機内モードにするか電源を切っておく必要がある)、ダウンロードなしでは利用できませんので、ご注意ください。
ANAやJALは、日本人向けのコンテンツが豊富に用意されているので、自分の興味があるものが全くないという事にはならないはずです。
その他のサービスも含め、さすが5スターの評価を受ける航空会社です。

- 航空会社 もしくは使用している機体により、モニターの付いていない場合があります。
- LCCにはモニターがないので、自分で何かを用意しておく必要があります。
- 機内はエアコンが強い場合も多く、個人での調整にも限界があるので、腕を動かしやすい素材の長袖の服か、薄めの羽織るものを用意しておくと便利です。冷え性の方は特にご注意ください。
- 機内で事前に配られる入国シートは、安定飛行に入ってからで良いので、機内が明るい内に落ち着いて記入しましょう。記入に必要なボールペンは、消えないタイプのものを必ず1本持参してください(CAさんに借りる事はできますが、海外の航空会社の場合、あまり良い顔をされません・・・大韓航空のCAさんには、「マジか」みたいな顔をされました)。
- 入国シートは、国により出入国が一体となったものがあります。自分で切り取らず、入国審査官に切り取ってもらいましょう。また、切り取られた出国シートは、出国するまで紛失しないようご注意ください。
仮に自分は飛行中、外の景色をずっと眺めたいと思っていても、食事後は照明が暗くなり、窓の日よけ(シェード)を下げる事になるよう促されるはずです。
期待しておられた方は、睡眠にあてるか他の選択肢も用意しておくと良いと思います。

さて、長い機内滞在を経て、ようやく目的地の空港に着陸しました。
ファーストクラス、ビジネスクラスの乗客がすべて降りてから、エコノミークラスの前方座席から順に降りていく事になります。
その際には、子供連れの方や荷物の取りまとめに時間が掛かって出遅れた方もおられますので、譲り合いの気持ちを持って先に行かせてあげてください。
その後の入国審査の事も考慮すると、最後に降りるのは全くお勧めできませんが、少しくらい遅れても挽回は可能です。
特に東南アジアでは、日本と比較すると一年を通して気温や湿度が高く、機内でのある程度快適に保たれた状況に身体が慣れてしまっている事もあり、飛行機を降りると体感の変化に驚かれるかもしれません。
成人の方なら比較的すぐに変化に順応できても、小さなお子さんには負担になる場合もあります。
僕も一度タイで遭遇してしまいましたが、飛行機を降りて入国審査に向かう途中で、突然戻してしまうお子さんもいましたので(飛行機酔いの可能性もありますが)、できる限り飛行機に乗るまでの体調管理はしっかりとしてあげてください。
可能な限り万全の体調で、現地で素敵な思い出をたくさん作りましょう!

飛行機を降りると、入国審査の場所に向かう事になりますが、案内板もありますからご安心ください。
入国審査は英語で「Immigration」です。
基本的には飛行機から降りると、そこにしか向かえないような構造になっていますから、迷う事はないはずです。それでも不安な方は他の乗客の後についていってください。
自信がある方は、入国審査の場所に到着するまでに少し早歩きしながら、可能な限り先に歩く多くの旅客を抜いておくと良いです。
入国審査は早いもの順なので、到着が遅れればそれだけ余分に時間が掛かるのは間違いありません。
ハブと呼ばれるような空港では、ひっきりなしに世界各国から飛行機が着陸し、次々と旅客を送り込んできます。
タイミングが悪ければ、入国審査に向かう旅客が集中してしまい、入国審査を受けるまでに長い時間が掛かってしまいます。
僕が遭遇したケースですが、タイのスワンナプーム空港を初めて利用した際は、ちょうどそのタイミングに重なってしまい、入国審査を終えるまで1時間半かかった事があります。
その時は、まるで渋谷のスクランブル交差点のように、入国審査に向かう人の波がはっきりと見てとれました。
ただ、そのように人が多く押し寄せた場合でも、スタッフが何人も立っていて並ぶべき場所をジェスチャー等で示してくれるので、戸惑う事はありません。
なお、これらはタイミング次第、運次第の部分なので、自分でコントロールはできません。ほとんど列に並ぶ事無く通過できる場合もあります。
入国審査レーンは、自国民(CITIZEN)と外国人(Foreigner)であったり、欧州の場合はEUのCITIZENレーン、アセアン諸国の場合はASEANレーン等が規定されている場合があります。
日本人が外国人向けのレーンに並んだ場合は、最悪正しいレーンに並び直させられるなんて事も・・・。しっかり確認した上で並びましょう。
このように入国審査で少なからず疲労感やストレスが蓄積されていく事でしょう。それを回避するには、次のような方法があります。
- ビジネスクラス以上であれば、優先入国できる空港もある
- エコノミークラスやLCCでも、追加費用で優先入国レーンを利用できる空港もある
一例になりますが、タイ バンコクのスワンナプーム国際空港には、優先入国レーンがあります。
LCCやエコノミークラス利用時でも、現地の旅行会社等に手配する事で利用できます。
費用は一人あたり4,000円程度(現地通貨ベースの支払いなので変動あり)は必要になりますが、飛行機が到着したゲートで自分の名前を書いたボードを持ったスタッフが待っていて、優先入国レーンまでの案内と、その後の荷物運びまで行ってくれるようなサービスがあります。
タイを訪問の場合は、ステイ・タイランドさんという会社があります。
日本人の方が経営されていますので、メールでのやり取りも全て日本語OKです。
そして同行者が多いほどお得になります。
送迎等の手配もこちらで一括して依頼する事も可能です。
その他、Expedia等でもツアーのページで同様のサービスが提供されています。
ビジネスクラスは難しくても、初めての海外旅行で不安な方や、費用は掛かっても快適に過ごしたい方は、このようなサービスもあるという事を覚えておいて損はありません。
空港によっては優先入国レーンが用意されている場合もあるので、選択肢の一つとして頭の片隅くらいには置いておく。
補足:入国審査時に最低限の会話が必要になる場合について
入国審査で何か質問された際に答えられるか不安、という方もおられると思います。
まず、質問されやすい国とされにくい国がある事は覚えておきましょう。
- アメリカに入国の際は、質問される可能性が極めて高い。
- ヨーロッパ入国の際は、質問される可能性が高い。
- 東南アジア諸国入国の際は、質問されるのはレアケース。
- 中国や台湾入国の際は、質問される事はほぼない。
アメリカや欧州ではテロ対策もあってか、高い確率で質問されます。
ただ、観光客に対しては、不審な点がない限りは難しい内容の質問はされないはずですので、必要最低限の受け答えだけ覚えておくと助けになります。
Q : あなたの入国目的は? What’s is purpose of your visit?
A : 観光です。 Sightseeing.
乗り継ぎです。 Transit.
Q : 何日間滞在するの? How long are you going to stay?
A : 5日間です。 For five days.
Q : どこに滞在するの? Where are you going to stay?
A : 〇〇ホテルです。 At 〇〇 hotel.
質問のパターンは主にこの程度です。
日本のパスポートは世界最強なのですから、日本人はそれだけ世界で信用されているという事です。
残念ながら中東の方や中国人は審査時間が長い傾向があるので、誤解を恐れず言うと可能であればその方々の後ろには並ばない方が無難です。
簡単な質問の後は、顔写真の撮影や指紋を取られる場合がありますが、その際はジェスチャーで教えてくれます。
審査官の言っている事が分からなくとも、だいたいの予想はつくので、慌てずに対応しましょう。
その他、入国審査時に注意して欲しい事(特に赤文字)もあるので書いておきます。
- 審査官の心証を害する事は絶対にしない
- 現地語、もしくは英語で軽く挨拶する
- 笑顔で対応する
- 写真撮影をしない
- 帽子やサングラスを外す
- 審査直前になると停止線があるので、それより前に出ない
- 審査中にブースに手をつかない
- 審査官がPCで作業している時に覗き込まない
- 審査終了後は速やかに離れる
- 待ち時間が長くても、イライラして声を荒げたり文句を言ったりしない
- 相手が言っている事が分からない場合は適当に返事しない
釈然としない方もおられるかもしれませんが、審査官の心証を害したり不審に思われると、得する事は一切ありません。
また、審査官が言っている事が分からないのに適当に「YES」等と答えてしまうと、不審に思った審査官から、更に別の質問がされないという保証はありません。
各国の入国審査官の裁量はとても広いので、甘くみないようにしましょう。
お客様が神様なのは、世界で日本だけの特殊な考え方です。
通常であればたった1分~2分程度でその場限りの事なので、スムーズに通過できるよう心がけましょう。
入国審査官には逆らわず素直に指示に従いましょう!
⑤預け荷物受け取りについて

入国審査が無事に済むと、すぐに預け荷物受け取りレーンが見えるはずです。
飛行機を降りる時に、「〇番のレーンでお受け取り頂けます」というようなアナウンスがされるので、それを聞き逃さないでおくか、受け取りレーン付近に案内板もあるので、自分のフライトナンバーを探し、指示されたレーンに向かいましょう。
預け荷物受け取りは英語で「Baggage claim」です。
ビジネスクラス以上の乗客や航空会社の上級会員の場合は、優先して荷物が出てきます。
それ以外の乗客の荷物は、必ずそのあとに出てきます。
一般の乗客の場合は、荷物の早い遅いは自分でコントロールできるものではありませんので、気長に待ちましょう。
レーンの待機場所に線が引かれている場合があります。その線より前に出ないでくださいという意味ですが、できるだけそれは守ってください。
その線より前に出られると、ルールを守っている人は本当に見難くなるんです。旅行で気持ちが高揚するのは十分理解しますが、そんな時でも相手への気遣いをお忘れなく。
また、外観の似ているスーツケースは多いです。
搭乗のチェックイン時に取り付けられたタグを確認するか、絶対に自分のものと分かる目印を付けておくと便利です。
目印を付ける際は、コンベアに引っ掛からないようにご注意ください。
持ち手にスカーフやハンカチ等を巻く方もいますが、ダラーンとはみ出させた状態で巻くと、どこかに引っ掛かったり係員に取り外されたり・・・なんて事もあります。
⑥空港からホテルまでの移動について
無事に荷物を受け取り、税関に申告書を手渡して抜けると(荷物をX線検査する場合もあれば、何もない場合もあります)、大きな規模の空港では、大勢の出迎え者が待っています。
空港からホテルまでの移動は、国によっても異なりますが、知り合いが迎えに来てくれる以外では、大まかには以下のような方法があります。
- 電車での移動
- バスでの移動
- タクシーでの移動
- 手配した送迎車での移動
どの交通手段を選べば良いかは、本当に地域差があるので一概に言えません。
日本の場合は、電車でもバスでも、目的地に最もアクセスしやすい方法を選べば良いのですが、外国は日本のように整っていない国も多いです。
ただ、その他の手段より確実に安くつく方法ですので、興味があればそれぞれの国(空港)からの移動手段を、まずは調べてみる事をおすすめします。
自分がその方法でも行けると思えば、挑戦してみてください。
その経験は決して無駄になりません。
多少お金がかかっても安心してホテルまで行きたい方は、タクシーか送迎車を利用する事をお勧めします。
タクシーの場合は、流しのタクシーを利用したり、どこの空港にも「TAXI」と書かれた専用のブースがあるので、すぐに見つかります。
国によっては法外な金額を吹っかけてくる場合があったり、東南アジア諸国の場合は道路が激しく渋滞するので、どこまでメーターが上がっていくか分からない不安はあります。
空港タクシーやクーポンタクシーと呼ばれるものを選択すると安心です。
ただ、デメリットもあり、やはり料金が通常のタクシーと比較すると2倍~3倍程度にはなります。

タクシーの利用については、ボリュームも大きくなるので別の記事を用意させてもらいます。
事前に手配する送迎車は大きく分けると2種類あり、それぞれにメリットとデメリットがあります。
乗合形式の送迎車:
- (メリット)料金が安い、乗り合わせた今まで知らなかった人と友達になれる・・・かも
- (デメリット)人が揃うまで発車してくれないので、無駄に待ち時間がある場合がある
専用の送迎車:
- (メリット)すぐにホテルに向けて出発できる
- (デメリット)料金が割高
乗合形式の場合は、だいたい同じ方向で同じ時間帯の人をまとめて送迎します。
乗合形式の送迎車を利用した際、一緒に乗るはずだった人の飛行機の到着が予定より大幅に遅れてしまい、スーツケースを抱えたまま一人で1時間半以上待たされた事もあります・・・。
でも、旅行にハプニングはつきもの(ハプニングだらけ)なので、我慢できたり、それすら楽しめる人には問題ありません。
専用の送迎車の場合は、同行者が少ないと割高になりますが、往復で依頼する等で多少割引される場合もあります。
あくまで車1台あたりでの手配になるので、規定の人数以下の場合であれば、同行者全員で割り勘すれば、逆に乗合形式よりも安くつきます。
専用送迎車は、先ほどの「ステイ・タイランド」さんのような会社や、宿泊するホテルに送迎サービスがあればメールで申し込みできます。
⑦ホテルチェックインについて

何らかの手段で空港を出発し、渋滞を抜け、ようやくホテルに到着です。
英語が話せなくても、ホテルのチェックイン時には難しい言葉は必要ありません。
- チェックインお願いします Check in, please
- 喫煙室(禁煙室)を希望します Smoking (Non-smoking) room, please
チェックイン時には事前に予約しているなら、パスポートを提示してチェックインしたい旨を伝えれば、後はスタッフが進めてくれます。
デポジット(預かり金)を求められますので、できればクレジットカードで処理してもらいましょう。
デポジットとは・・・
食事代等の支払い保証のための預かり金の事で、ホテルのサービスを利用した場合等は、チェックアウトの際にデポジットから支払います。
不足の場合はチェックアウト時に追加して支払います。
逆にホテルのサービスを何も利用しなかった場合は、全額返金されます。
デポジットにはデビットカード(銀行口座から即時引き落としタイプのカード)や現金を使わない方が良いです。
利用していない分はチェックアウト時に確実に返金されるものの、滞在中はそのお金がずっと拘束されたまま使えなくなってしまうからです。
デポジットの金額はホテルによって異なりますが、一日あたり日本円で1,000円~2,000円といった具合です。
滞在期間によっては、あまりばかにできない金額になります。
デポジット支払いには可能な限りクレジットカードを使用しましょう。
渡航当日の自宅~目的地の空港までの流れは、このようになります。
海外旅行未経験の方や経験が少ない方は、まずはイメージしてみる事が重要と思います。当日の自分の疲労がどのくらいか、ここまでの記事を読めば、ある程度予測できたかもしれません。
海外旅行は国内の移動より疲労度が上がるという事を前提に、自分の興味や旅行に使える日数、費用等を総合的に考えてみて、計画されると失敗するリスクも減らす事ができると思います。
なお、旅行に使える日数で考えた、個人的にお勧めの渡航先はこちらですので、旅行を計画される際の参考程度に押さえておいて頂けると嬉しいです。
- 2泊3日まで:台湾、中国(香港・マカオ含む)、韓国
- 現地3泊以上:東南アジア地域、グアム、サイパン、ハワイ
- 現地5泊以上:アメリカ、カナダ、オセアニア地域、ヨーロッパ地域
- 現地7泊以上:南米地域
大変長くなってしまいましたが、以上でこのシリーズは一旦終了です。
更に細かい内容は、今後別で記事にしていきますので、そちらもお楽しみに。
記事を読んだ皆さんが海外旅行を楽しんで頂き、現地で様々な経験を得て帰国されるのを楽しみにしています。
長らくお付き合い頂き、本当にありがとうございました。
また次回の記事でお会いしましょう!
Have a nice trip!
行きたい国、滞在したい都市のホテルを検索してみましょう。
海外でも国内でもホテル探しはこちらから(agodaのリンクに飛びます)