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飛行機

『非常口座席』で空の旅を快適に!メリットとデメリットも徹底解説

皆さんは飛行機の座席(位置)にこだわりはありますか?

窓側、通路側、前方、後方など、最近では航空会社が提供するシートマップを見ながら選択できるようになってきて、とても便利になりました。

この座席選び、あまり深く考えずに決めている方もいるかもしれませんが、実は空の旅をする上で非常に重要なプロセスです。

少なくとも、筆者はそう思っています。

座席選びに失敗すると、場合によっては空の上で過ごす時間が台無しになってしまうこともあります。

今この記事を読んでいる方が、快適な空の旅を楽しめるように、今回は実際の利用では条件付きではありますが、『非常口座席』の解説をしていきたいと思います。

この記事では、

  • 非常口座席とは?
  • 非常口座席をおすすめする理由(メリット)は?
  • 非常口座席を利用できる条件は?
  • 非常口座席利用のデメリットは?

これらの疑問にお答えしていきます。

非常口座席とは?非常口付近に設置された座席のこと

当たり前かもしれませんが、名称そのままの意味になります。

非常口は機体を外から見るとここ(赤囲み)になります。

非常口は機体の中央部分の左右両側に設置されています。

さて、機内に戻ります。

非常口座席のちょうど横に非常口があり、緊急時にはこの非常口を使って乗客乗員が脱出することになります。

緊急時に速やかに脱出できるよう、前の座席との間隔が他の普通席に比べて広く取られています。

機体によっても異なりますが、非常口周辺には座席が設置されていないもの、座席が設置されていても避難の妨げにならないよう、リクライニングできない座席が設置されているものがあります。

写真を撮影した筆者の座席は非常口座席ですがリクライニングできるものの、ちょうどCAさんと会話されている方の座席は、リクライニングすると非常口にかかってしまうので、リクライニングできない設計の座席になります。

座席のリクライニングを利用したい方は、同じく非常口座席という名称にはなっていても、非常口と非常口の間になる座席や、後ろに非常口がない座席を選びましょう。

予約時のシートマップにも、リクライニングできない座席は分かるようにマーキングされていますので確認しましょう。

なお、写真を撮影したのは、中部国際空港から那覇空港に向かうソラシドエア(ANAとの共同運航便)の機内になります。

使用機材はボーイング737-800で、左右3席ずつの小型な機体です。

非常口座席をおすすめする理由(メリット)は?窮屈感から解放されること

筆者は航空券を予約すると同時に座席も指定します。

そんな筆者が最初に見るのは、普通席を予約したのであれば非常口座席に空きがあるか否かです。

少数派の意見ではないと思っていますが、筆者が飛行機内で最も不快に感じるのが、

前の座席が自分に向かってリクライニングしてくることです。

リクライニングされると、雲が流れる様子を眺めながら楽しむはずだった大事な時間が、一気に不快な時間に変わります。

プラハくん
プラハくん
リクライニングする側は深く考えていないのかもしれませんが、リクライニングするということは、自分の後ろに座る人のスペースを著しく奪うという行為です。

航空会社がリクライニングできる座席を設置している以上、絶対するなとは言えません。

しかしただでさえ狭い普通席です。

それを更に狭くするリクライニング機能は廃止した方が幸せなのではないかと、常日頃から思っています。

さて、若干話が逸れましたので話を戻します。

非常口座席は機体によっては自分の前に座席が設置されておらず、広々とした空間が広がっている、もしくは自分の前に座席が設置されていたとしても、リクライニングできない設計になっています。

つまり、空の上で自分が過ごす空間が保証されるという、

そう、そこには他には代えられない、プライスレスなメリットがあるのです。

また、緊急脱出時に避難の妨げにならないよう、前の座席との間隔も広く取られている(通常と比較して1.5倍程度)ため、飛行中もゆったりと足を伸ばせることもメリットの一つです。

飛行中に窮屈感がないことが、この座席をおすすめする理由になります。

使用する機材にもよりますが、自分の前に座席がない機材の場合は、窓側席に着席していても、隣の人にどいてもらうことなくトイレに行くこともできます。

蒼井つばさ
蒼井つばさ
トイレに行く時に隣の人に声をかけるのが苦手という方は、声をかけずにトイレに行けるということも、間違いなくメリットになるはずです。

非常口座席を利用する条件は?条件に合致すれば問題なし

航空会社は単なるサービスで、通常の座席よりもゆったりとできる座席を提供しているのではありません。

航空会社が非常口座席を利用する乗客には、以下の役割が義務付けられています。

ANAの公式サイト(機内でのお願い)からの抜粋です。

非常口座席にお座りのお客様には、万一の場合、緊急脱出時の援助をお願いいたします。

  • 乗務員が非常口を完全に開放するまでの間、他のお客様を制止すること
  • 乗務員の指示に従い、機外が安全であることを確認して非常口を操作し開放すること
  • 脱出スライドが膨らんだ後、他のお客様を速やかに脱出させること
  • 脱出スライドまたは脱出口下において後から脱出する他のお客様を援助すること
  • 速やかに機体から遠くへ離れて避難するよう声をかけること
  • その他(必要に応じ、乗務員が具体的に指示させていただきます)

ご搭乗後、早い機会に備え付けの『安全のしおり』をよくお読みください。

上記の援助を実施できない、または援助を実施することに同意しない場合は、非常口座席を利用できないと明記されています。

このようなことから、

  • 15歳未満の乗客は利用できない。
  • 国際線の場合では、英語などで会話ができない場合は利用できない。

このような取り決めもされています。

非常口座席を利用する場合は、着席後にCAさんが来てこのような確認を取られますので、その際には同意することを改めて伝えてください。

時々、筆者に質問してくる女性の方がおられますが、非常口座席に座るのに性別は関係ありません。

どうぞご安心ください。

筆者は基本的には非常口座席に座ることが多いですが、非常口座席に座られる女性の方も多く見ていますよ。

非常口座席をWeb上で予約しようとすると、各航空会社で定めている規約がポップアップ(下のスクリーンショット)され、それに同意しなければ予約できません。

皆さんが利用する飛行機がこのような状況に遭遇する可能性は極めて低いとは思いますが、万が一遭遇してしまった場合に、自分を犠牲にする覚悟のある方であれば利用が可能な座席です。

なお、レアなケースかもしれませんが、実際に遭遇した方でこれはすぐに非常口座席から普通の座席へ移動させるべきだろう、という方がいたので紹介しておきます。

50代の男性と思われますが、一人で非常口座席に搭乗されていた方の話です。

座席に着席してから飛行機がゲートを離れる間も、頻繁に立ち上がって上の棚から何かを取り出してはまた戻すという作業を繰り返していました。

さて、飛行機がプッシュバックされてスポットを離れ、機内では安全に関する説明を行っている間のことです(今回の使用機材にはモニターがなかったので、CAさんが実演中)。

何を思ったのかその男性が立ち上がり、再び上の棚を開けて何かを取り出そうとしていました。

ベルト着用サインが点灯している間は立ち上がることはできないのは、飛行機に乗っていれば誰でも知っていることなので、飛行機に乗り慣れていないことは明らかです。

また、安全に関する説明を行っている時にベルトを外して立ち上がり、上の棚を開けるという暴挙に出るということは、現在進行形でされている説明も理解できていないということです。

そのような方に緊急時に援助してもらうことは、正直言って難しいのではないかと思ってしまいました。

その方は実演していた客室乗務員からすぐにたしなめられ、即座に着席してベルト着用をすることになりました。

筆者としては、最低限の安全意識がない方には、万が一の場合に備えて非常口座席だけは利用してほしくないと思った次第です。

CAさんもそんな経験は初めてだったのか、だいぶ動揺していましたね・・・。

皆さんも、非常口座席という特殊な座席を利用する場合はご注意ください。

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非常口座席利用のデメリットは?人によっては見過ごせない

飛行中は前の座席との間隔も広く、足をゆったりと伸ばして過ごせる非常口座席ですが、メリットもあれば当然デメリットもあります。

利用を考えている方は、デメリットもあることを承知したうえでご利用ください。

  1. 足元や膝の上に手荷物を置けない。
  2. シートモニターを使用できる時間が普通の座席と比べて短くなる。
  3. ひじ掛けを持ち上げられないので、隣が空席でも一人で座席を広く利用することができない。
  4. 窓側席の場合、窓から見える景色が半分近く翼やエンジンに隠れる。
  5. 窓側席の場合、窓に加えて非常口もあるため、若干外気が入ってきて足元が寒い。

大きなデメリットと言えるのはこの5点です。

ただし、人によってはそのデメリットはメリットになり得る内容です。

では、デメリットを一つずつ解説していきます。

①足元や膝の上に手荷物を置けない

手荷物は全て(小物入れに収納できないもの)、上の棚に収納しなければなりません。

非常口座席ですから、緊急時に足元に荷物が置いてあったりすると、避難の際の妨げになったり、つまずいて転んだりして被害が拡大することもあり得ます。

CAさんは乗務中は常に目を光らせていますので、ルール違反は必ず指摘されます。

普段、すぐに取り出せるように荷物を足元に置いている方だと、少し気になるデメリットかもしれません。

非常口座席では、前に座席がある場合は小物入れ用のネットが、前に座席がない場合は、横に小物入れが用意されていますので、飛行中はそこに納まる範囲内の荷物だけを座席に持ち込みましょう。

具体的に言えば、スマートフォンやタブレット端末、雑誌類、国際線の場合はパスポートやペンなどです。

②シートモニターを使用できる時間が普通の座席と比べて短くなる

シートモニターが搭載されている機材では、非常口座席のシートモニターは収納タイプがほとんどです。

シートモニターはテーブルと同様、離陸時には安定飛行に入るまで、また、着陸態勢に入る着陸30分前までしか使用できません(元の位置に戻す必要あり)ので、機内で映画鑑賞などを楽しみにされている方にとっては、とてつもないデメリットとなります。

前の座席にシートモニターが設置されている座席の場合は、離着陸時にもモニターで映画鑑賞などができます。

今回紹介する5つのデメリットの中で、このシートモニターのデメリットだけは許容できないという方はおられるのではないでしょうか。

多少狭くともモニターを最初から最後まで利用できる普通の座席を選ぶか、もしくはモニターを見られる時間は短くなってもゆったりと座れる非常口座席を選ぶか。

機会があれば一度、非常口座席を予約・搭乗して普通の座席と比較してみるといいと思います。

③ひじ掛けを持ち上げられないので、隣が空席でも一人で座席を広く利用することができない

非常口座席ではシートモニター同様、テーブルも前の座席についておらず、ひじ掛けの中に収納されているタイプになります。

今回参考で紹介する写真は、ソラシドエアの古い機材のテーブルです。

ひじ掛けがパカッと開いて、中にテーブルが収納されています。使用する際に引っ張り出します。

実際にテーブルを引っ張り出してみると、このような感じになります。

最後の写真のように、必要に応じてテーブルを半分に折りたたんだりできる機材もあります。

さて、使い勝手としては悪くないのですが、問題はテーブルがひじ掛けの中に収納されていることです。

非常口座席以外の席のように、ひじ掛けを持ち上げて一人で座席を2つ、もしくは3つくっつけて独占して使用するということができないことです。

そもそも搭乗する便が満席に近ければできないことですが、完全に個人の考え(優先順位をどうするか)でデメリットになる部分かもしれません。

あくまで筆者の場合ですが、ギャンブル的な不確実要素があるものは避け、非常口座席が空いていれば予約し、最低限の自分の空間が確保できる選択肢を選びます。

④窓側席の場合、窓から見える景色が半分近く翼やエンジンで隠れる

非常口は翼の周辺に設置されているため、窓から外を見ると視界の半分近くは翼となります。

非常口座席から見える景色はこのようになります。

背もたれに寄り掛かるようにして窓から前方を見ると、飛行機のエンジンも視界に入ります。

窓から見える景色を楽しみにされているのであれば、翼やエンジンに隠れる部分の多い非常口座席はデメリットになります。

逆に飛行機が好きで、翼やエンジンも見える方がいい方にとっては、とてつもないメリットとなります。

個人的には、常に翼が視界に入ってくる非常口座席の窓側は大好きです。

足元の空間が広くて快適に過ごせるのに加え、夜間のフライトではこのようにエンジンや翼と共に夜景を楽しめます。

こちらの夜景は名古屋市上空のものですが、全国各地の空からの夜景も、今後堪能したいと思っています。

⑤窓側席の場合、窓に加えて非常口もあるため、若干外気が入ってくることもあり足元が寒い

冷え性の方、とにかく寒いのは嫌だと考える方にはデメリットになり得る項目です。

自分は冷え性ではないものの、飛行中に外から少量の冷えた空気が入ってくるのは感じます。

冷え性は女性に多い印象がありますが、非常口座席には女性も結構乗っていましたので、もしかしたらそこまで気にするものでもないのかもしれません。

ただ、非常口座席を利用される女性の服装はパンツスタイルであったり、スカートでも長めのものを着用されている方が多いです。

もし非常口座席を利用される際は、服を少し暖かめのものにしたり、ブランケットなどを持参する対策は取っても良いかもしれません。

以前は機内でのブランケットの貸し出しもされていましたが、現在は新型コロナウイルス感染防止の観点から、貸し出しは中止されています。

<まとめ>空の旅を快適にしたいなら非常口座席の利用も有力な候補です

ここまで紹介・解説してきた通り、非常口座席にはデメリットや利用する上での制約・責任もありますが、条件に合う方で空の旅を快適にしたいという場合にはぜひ検討してもらいたい座席です。

エアラインの上級会員でなければ非常口座席を指定できないのではないか、といった心配をされる方もおられますが、一概にそうとは言えません。

筆者はANAの上級会員であるダイヤモンド会員です。

でも上級会員になるはるか前、ステイタスが何もない頃から航空券を購入直後に毎回、非常口座席を指定できていました。

非常口座席に興味を持たれた方には、まずは事前に座席指定できるかトライしてみてほしいと思います。

機内で過ごす時間は座っているだけとはいえ、疲労を感じる方も多いことでしょう。

今回紹介させていただいた非常口座席を利用することにより、フライトでの疲労を軽減できる可能性があります。

それは、旅行での渡航の場合では到着直後から活発に楽しみ、ビジネス渡航では到着直後から元気に働けるという意味でもあります。

今回紹介した飛行機の座席の選び方(非常口座席編)のように、それぞれに合った旅のスタイルを確立していきましょう。

なお、別の記事では、今回紹介した非常口座席以外にも、空の旅を快適にするために試してほしいことも紹介していますので、興味のある方はこちらもご覧ください。

【空の旅を快適に】次のフライトで必ず試してほしいことを3つ紹介 皆さんは、どのくらいの頻度で飛行機に乗りますか? 筆者は2021年1月から12月の期間を例にすると、搭乗回数は軽く60回(レグ)...

これからも、皆さんが旅行を検討する上での不安を解消できるよう、少しでも役に立つ情報発信し、旅のスタイル確率のお手伝いをしていきたいと思います。

今回は普通席(エコノミークラス)の話でしたが、空の旅を更に快適にできるビジネスクラスの解説の記事も用意していますので、ぜひ参考にしてもらえると嬉しいです。

参考記事:【あなたの旅を優雅に快適に】国際線ビジネスクラスは最高の贅沢

Have a nice trip!!

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